クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
着替え終わった美樹と真人君が先に店内に行き、
翼君と私は着ぐるみを着る前に、店長が用意した飴を籠に詰めた。
まだ寒気がする体を温めるために、いつもより厚着をして着ぐるみを着始めた私。
そんな私の背中がドンっと押された。
うわぁ!!
「ごめん」
太郎さんの低い声が耳に響いた。
え? 今のなんなの?
私の後ろは太郎さんが通れるくらいのスペースが余裕にあるのに、太郎さんはわざとぶつかった?
ぶつかっておきながら謝ったの?
訳が分からないまま着ぐるみを着て、太郎さんが出て行ったドアを見つめた。