クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
時計の針が7時半を回り、子供やお客さん達の姿が一気に減り始めた。
みんな、家でクリスマスパーティーを楽しんでるんだね……。
人影が無くなった街の姿は寂しいけど
店の前に飾られてる大きなツリーの電飾が一層輝いて見える。
そんなツリーを見上げた私に、冷たい風が容赦なく吹き突けた。
寒いっ……。
私が風から顔を背けた瞬間、ツリーの飾りが雪の上に落ちてしまい、
翼君が落ちてしまった金色の鈴にすぐに駆け寄った。
腕を伸ばして鈴をツリーに戻す翼君の後ろ姿……
翼君がいて良かった。
私にはあんな高い所、手が届かない。