クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
男達が逃げるように去った後、
女の子の拍手の音だけが響いた。
目を輝かせてにっこりと笑う女の子に、
黒鼻のトナカイがガッツポーズしてみせる。
私は、目の前で何が起こっていたのか、
どうしてこんなことになったのか、
頭の中が真っ白になっていた。
そんな私と黒鼻のトナカイの前に、ものすごく怒った顔をした店長が現れ、私達の手を引き事務室に連れられた。
事務室のドアが閉まる音と同時に怒鳴り声が響いた。
「一体おまえたちは何をやってるんだ!!」
店長の大きな声に肩がビクッとなった私は、クビを覚悟した。