あの子、溺愛されてるらしい。
「どこ行くの?」

「ちょっとショッピングモール回って、カフェでおしゃべりする感じ?いつもとあんまり変わらないんだけど楽しみなの。」

「まったく…2人でいるだけで嬉しいんだね。まあ仲いいのはいいことだけど。」



乃々佳に呆れた顔でそう言われた。いつもこうだけれど、乃々佳が本当に私たちを応援してくれているのは伝わってきている。



「楽しんできな。」

「うん。ありがとう。」

「あ、これ貸してあげるからデートの時塗ったら?」



乃々佳がポーチから淡いピンクのリップを取り出して私の手に持たせてくれた。



「この色が梨央に1番似合いそう。」

「ありがとう。これで可愛くして行く。」



これを塗ったら栄斗は気付いてくれるかな。可愛いと思ってくれるかな。放課後がもっと楽しみになった。


デートが待っていると思うと授業が楽しく感じて私は一日浮かれていた。


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