完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!
兄の腕を部長がつかんだ。
「英雄、待って。いてもらっていい。彼女は大丈夫だったんだ」
「……本当?」
「あぁ、間違いない」
「芽衣、ちょっとこっちきて」
手招きされ、訳もわからず近づいてみれば兄は部長を見て目を見開いた。
「本当だな」
「だろ。なぜだ?」
「わからない。こう見えて実は超凶暴だから、とか?」
「うーん……」
兄と部長が話してる内容は分からないけど、なんだか失礼な悩まれ方をしてる気がする。
「きちんと説明していただいていいですか?」
ムッとして眉を寄せた私が言うなり二人の視線が一斉にこちらを向いた。
「な、なんですか……」
「芽衣ならきっと役立つ。伝えておいた方がいいと思うよ」
兄が部長に言う。部長はちら、と兄を見たあと、まっすぐ私に向き合い口を開いた。
「俺は女性アレルギーなんだ」