完全無欠な財閥御曹司の秘密は、私だけに××!

「君はキスをしたら俺を好きになりそうで怖い。だから逃げたいんじゃないか?」
「っ……」

 本当に好きにはならない。そんな簡単なものじゃない。好きになれるものならなりたい。大河さんは分かってない。

「逃げないんだ」
「だって負けたみたいだから。別にキス一つで好きになんてならない。そんな簡単なものじゃないんです!」

「なら試させて。君だって試してみた方がいい。本心では、誰かを好きになってみたいんだろ?」

 はっきり大河さんが言って、私は目を見開いた。
 そのまますぐ唇が重なる。

「んっ……」

 キスは思っていた以上に熱くて、それが不思議と嫌じゃなかった。
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