ジュヴナイルの愛憎
蹉跌
めでたく、私も謙太郎も、志望校に合格してからは、一緒に過ごす時間もかなり増えた。

謙太郎のほうから、

「同じ学校なんだし、一緒に通おうよ」

そう誘ってくれたから、私たちは毎朝一緒に登校するようになった。 

高校生になったことで、私はもう、さほど優等生というわけでもなくなってしまった。

何しろ、県内トップの学校だ。

周りが皆、優秀な子ばかりなのだから、今まで通りというわけにはいかないのも当然だろう。

今までの勉強量では、中ぐらいの順位すら危うい。
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