ジュヴナイルの愛憎
私はというと、心の内側では、かなり鼻白んでいた。

絹の相変わらずの愛されキャラと、両親の予想どおりのリアクションに。

まるでBLの主人公のような美少年である絹は、何を言っても周りからポジティブに受け止められる。

片や、どんなに努力しようとも、絹のような扱いは決して受けることのない私。

いつも自分に言い聞かせてきた。

絹は体が弱いのだから、仕方のないことだと。

もし、絹がただの美少年で、性格も悪ければ、私だってとても我慢できなかっただろう。
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