ジュヴナイルの愛憎
双子の兄弟
あれは、中学入学直前の頃のこと。

すぐ隣の家に、市川謙太郎・謙二という、双子の兄弟が引っ越してきた。

私が帰宅すると、自宅の庭で、知らない男の子たちが絹と談笑していたので、驚いたものだ。

単に長身で顔立ちが整っているだけでなく、とても大人びた少年と、年相応の悪ガキといった雰囲気の少年の二人は、双子とはいえ全く似ていない。

ある意味、私たちのようなものだろう。

帰ってきた私を見て、

「おばさん、誰?」

と、失礼極まりない言葉を放ったのは、言わずもがな双子の弟のほう。
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