ジュヴナイルの愛憎

「謙二！」

大人びた兄のほうが、咎めるように言った。

「お姉ちゃん、おかえり」

絹の言葉に、双子の弟のほうである謙二は、ギョッとした様子で、

「え…このおばさんがお前の姉貴かよ！あーガッカリ！絹の双子の姉貴だったら、すっげぇ美人を期待してたのにさぁ…」

私は、誰かに容姿を褒められたことは一度もなかったものの、優等生としてやってきたお陰で、ここまで露骨に貶されたこともなかった。

顔には出さないようにしたものの、傷つかないわけがない。

「おい、いい加減にしろ！女の子相手にそんなこと言っていいと思ってるのか！」