愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
火災を知らせに戻ってきてくれたお客様にも「あちらの非常階段から外に出てください」と誘導する。
キッチンを担当していたアルバイト社員が、戸惑いながら私のもとに指示を仰ぎに来た。
「火は止めました?」
「はい。全部確認しました」
「では、お客様に続いて非常階段から外に出てください。私はほかにお客様がいないか確認してきますので」
トイレや座席の奥をチェックして、店舗内に誰もいないのを確認したあと、私も非常階段に向かう。
しかし、避難したはずのお客様が慌てた様子で店内に戻ってきたので、眉をひそめた。
お客様の人数が増えていて、よく見ると上階のジムのお客様やインストラクターまでいる。いったいなにが起きているの?
冷静な優多さんまでもが慌てた顔で駆けてきた。
「非常階段の二階部分に大きな荷物が積み上がっていて、避難できなかったのよ」
「ええ……!?」
さすがにその事態は予測していなかった。
前回消防点検をしたときには荷物なんてなかったはずなのに。
「避難梯子を使う?」