敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「君がそんな気落ちしなくてかまわない。俺はまったく落ち込んでいないから」
「え?」
社長を見ると、彼はカップに口をつけなんでもないかのようにコーヒーを堪能している。そっとカップをソーサーに戻し、彼は背もたれに体を預けた。
「これで結婚にうるさい両親を静かにさせられるし、既婚者という肩書きも手に入ると思っていたからその点に関しては残念だが、それ以外はさほど」
彼の言葉には嘘も強がりもない。だから思わず聞いてしまった。
「社長は、Mitoのご令嬢と結婚前提でお付き合いされていたんではなかったですか?」
何度かふたりで会っていたみたいだし、会社の外で私と会ったときも、彼はおそらく水戸さんと会う予定だったのだろう。結婚も考えていた相手なのに……。
「結婚前提で付き合っていたよ。ただそこにお互い気持ちがなかったんだ。親の勧めで会ってみると、彼女も結婚願望がないのに、見合いの席を勝手に設けられると嘆いていてね。利害が一致して、割り切った結婚をしようと話を進めていたんだ」
とんでもない内容に目眩を起こしそうになる。偽装結婚とでもいうのか、契約結婚とでもいうのか、私とはまったく無縁の世界だ。
おかげで破談になったにもかかわらず、彼が落胆していない理由をようやく理解する。
「え?」
社長を見ると、彼はカップに口をつけなんでもないかのようにコーヒーを堪能している。そっとカップをソーサーに戻し、彼は背もたれに体を預けた。
「これで結婚にうるさい両親を静かにさせられるし、既婚者という肩書きも手に入ると思っていたからその点に関しては残念だが、それ以外はさほど」
彼の言葉には嘘も強がりもない。だから思わず聞いてしまった。
「社長は、Mitoのご令嬢と結婚前提でお付き合いされていたんではなかったですか?」
何度かふたりで会っていたみたいだし、会社の外で私と会ったときも、彼はおそらく水戸さんと会う予定だったのだろう。結婚も考えていた相手なのに……。
「結婚前提で付き合っていたよ。ただそこにお互い気持ちがなかったんだ。親の勧めで会ってみると、彼女も結婚願望がないのに、見合いの席を勝手に設けられると嘆いていてね。利害が一致して、割り切った結婚をしようと話を進めていたんだ」
とんでもない内容に目眩を起こしそうになる。偽装結婚とでもいうのか、契約結婚とでもいうのか、私とはまったく無縁の世界だ。
おかげで破談になったにもかかわらず、彼が落胆していない理由をようやく理解する。