敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
『未希』
集中していたところに隼人さんに声をかけられ、なんとも中途半端な状態となった。
『なんでしょうか?』
『いや……』
ところが、隼人さんは言葉を濁し、ふいっと視線を逸らした。
なにか失礼なことでもしてしまったのだろうかと不安になるが、ひとまず婚約指輪を左手の薬指に収める。
『どう、でしょうか?』
左手の薬指に指輪をはめるのは初めてだ。ずっしりと重みを感じ、ぎこちなく隼人さんの方に手の甲を向ける。
『よく似合っている。未希に似合いそうなものを選んだんだ。気に入ってくれるといいんだが』
私には分不相応なものだと肩を縮める一方で、機械的ではなくあれこれ思いながらこの婚約指輪を選んでくれた彼に胸が温かくなる。
「隼人さんが贈ってくださった際、ご両親の話してくださいました。大丈夫です、隼人さんはご両親のことを尊敬していますし、おふたりの想いはちゃんと伝わっていますよ」
本当に両親のことが鬱陶しいなら、わざわざ同じブランドの婚約指輪にしたり、そもそも私とこんな形で結婚したりしようと思わなかっただろう。
ご両親が隼人さんの心配をしているのも、厳しく接してきた理由も彼は全部理解している。
私の左手をじっと見つめ、美奈子さんは微笑んだ。
「ありがとう、未希さん。隼人のこと、よろしくね」
そこでふと美奈子さんが時計に視線を送った。
集中していたところに隼人さんに声をかけられ、なんとも中途半端な状態となった。
『なんでしょうか?』
『いや……』
ところが、隼人さんは言葉を濁し、ふいっと視線を逸らした。
なにか失礼なことでもしてしまったのだろうかと不安になるが、ひとまず婚約指輪を左手の薬指に収める。
『どう、でしょうか?』
左手の薬指に指輪をはめるのは初めてだ。ずっしりと重みを感じ、ぎこちなく隼人さんの方に手の甲を向ける。
『よく似合っている。未希に似合いそうなものを選んだんだ。気に入ってくれるといいんだが』
私には分不相応なものだと肩を縮める一方で、機械的ではなくあれこれ思いながらこの婚約指輪を選んでくれた彼に胸が温かくなる。
「隼人さんが贈ってくださった際、ご両親の話してくださいました。大丈夫です、隼人さんはご両親のことを尊敬していますし、おふたりの想いはちゃんと伝わっていますよ」
本当に両親のことが鬱陶しいなら、わざわざ同じブランドの婚約指輪にしたり、そもそも私とこんな形で結婚したりしようと思わなかっただろう。
ご両親が隼人さんの心配をしているのも、厳しく接してきた理由も彼は全部理解している。
私の左手をじっと見つめ、美奈子さんは微笑んだ。
「ありがとう、未希さん。隼人のこと、よろしくね」
そこでふと美奈子さんが時計に視線を送った。