過去の扉と今の扉
新しい道
私は、お母さんの所に行ってから月日が経ち
少しづつだけど自分を取り戻した。

そして、またお腹に新たな命が宿った。

私は、相手に連絡したけど音信不通。

そして、美優と同じ行方不明。

「瞳、どうするの?」

「うーん...」

正直、怖かった。

だって、産んだら児相に引き離される。

かと言って、大樹と同じ道を歩ませたくない。

「ねぇ、瞳。今のお腹の子は大樹の生まれ変わりで、戻ってきてくれたちゃう?」

「えっ?」


「大樹は、瞳の事恨んでもないと思う。仮に恨んでたら絶対、瞳の所に来てないと思うよ」

「そうなんかな....」

「少なくとも、お母さんはそう信じる。瞳が大樹の、生まれ変わりで戻ってきた子を育てるんであれば、お母さんはサポートはする」

「うん」

何回も、何回も悩んでは話し合いした。

それでも、先に進め無かったから弟がお世話になってる相談員さんにお母さんが私の事を話し
親身なって聞いて色々と動いてくれた。

そして、産んで育てる決断がようやく出来た。

お母さんに話した。

「産む事、育てる事並大抵な事でないよ!それでも大丈夫なんやね」

「うん!大樹と美優の為にも、この子を産んで、出来なかった事、してあげれんかった事をこの子にするって決めた」

私の気持ちが、お母さんに伝わった。

そして、お母さんが引き出しから母子手帳などを渡してくれた。

「今のお腹の事の母子手帳だよ!」

「お母さん」

「瞳がこの子を下ろすとか言ったら、ぶん殴ってたわ。けど育てるって決めた以上は、やっぱり瞳は、お母さんの子だわ」

お母さんは、笑っていた。

私は、嬉しくて泣いた。

「また、泣く〜。泣いたらお腹の子に悪いよ」

「うん。うん。これから迷惑かけるかもだけどよろしくお願いします」

私は、頭をさげた。

「迷惑なんて思ってないしね!もうあんたも母親としてしっかりね!」

私の気持ち、言葉がようやく誰かに伝わって私の意志を尊重してくれた。
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