相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
ガキと狂愛
「━━━━━は?」

「だから、俺が、コクったんです、岩谷 嶺音さんに」

「お前…何、言って、んの?」

「へぇー、隠すくらいに、悩むくらいに、俺のこと考えてくれてんだ。
なんか、嬉しいな!」

ガン!!ガッシャーーーン!!!パリーーーン!!!

奏弟が立ち上がった衝撃の音、向かいに座っている翠川に殴りかかるためにテーブルの上を駆け上がった衝撃で皿やグラス等が割れた音が、ほぼ同時に響いた。

「お前………!!!?」

「は?この手、なんですか?
告白したくらいで、殴るの?
やっぱあんた、最低な男だな………!!
嶺音さんですよ?
告白なんて、ある意味日常茶飯事でしょ?」
胸ぐらを掴む奏弟を睨み付け言う。

「………」

「なんで、あんたみたいな最低な男が、あんな天使の旦那なの?
そうじゃなかったら…“奪おう”なんて思わなかったのに………
俺、絶対、諦めませんから!」
睨み付けたまま、どこか苦しそうに言い放った。

「………」

「奏弟!!!もう、やめろ!!!
イツキも!!」
「イワカナ!!」
愛田が止め、カヲルが奏弟を羽交い締めにする。

奏弟は、カヲルの手を振り払うと「帰る」と言って、居酒屋を出ていった。

「奏弟!!!」
居酒屋を出た奏弟に、声をかける愛田。

「………何?」
前を向いたまま、返事をする奏弟。

「嶺音を、責めるようなことはやめろよ。
あいつのことだ。
きっと…お前を思って言えなかったに違いねぇんだから!」

「………わかってる…」
ポツリと言って、ゆっくり歩きだした。


自宅マンションに着き、玄関を開ける。
すると、パタパタと嶺音が駆けてくる。

「カナ!!おかえり!!」

「………」
“俺がコクったんです、岩谷 嶺音さんに”

「カナ?
あのね、カナに話しておきたいことがあって……」
黙ったままの奏弟を窺うように見上げる。

「………何?」

「あの…と、とりあえず、ソファ行こ?」

「話?
どんな、話?」

「えーと……なんていうか……」

「ベッド、行こうよ。
話は、ベッドで聞きたい」

「え?あ、いや、でも……」

「ベッドで、抱き締め合って、キスし合って“ネオちゃんは俺のモノ”って感じながらじゃないと聞けない」

「カナ、どうしたの?」
ゆっくり、頭を撫でる。

奏弟は、その手を掴んだ。

「子ども扱い、すんなよ……!!」

そしてそのまま、手を引っ張って寝室に連れ込んだ。
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