グリーンリーフ~夏目若葉メモワール~
 完結から数ヶ月が経ったころ、突然編集部の方からメールをもらったのです。
 この作品をマカロンで電子書籍化しませんか、という内容でした。

 驚きながらも、うれしくてもちろん快諾です!
 自分の作品を拾い上げてもらえるなんて思いもしなかったんですが、いろいろと思い悩む33歳女子が葛藤するストーリーを認めてもらえた気がしました。

 しかしメールで告げられたのは、ヒロインを29歳設定にしてください。
 あと、ヒーローのスペックが普通なので部長職にし、由緒ある名家の家柄にしましょう。……という内容で。
 今ならベリカカラーに合わせるとそうなるよね……と思えるのですが、当時のド素人の私はちょっぴりショックでしたね。

 それにしても、書籍化ってどういう流れでどう作業していくのだろう……
 業界用語とか、出版社の常識?みたいな事が全然わかっていなかった私にとっては、初めてのことばかりでした。
 メールで日程表や概要が送られてきましたが、意味がわからなかったり、悪戦苦闘です。

 そして(あだ)となったのが、P.8に記載した「気取った表現」です。
 読みにくいし、理解しづらいので、全部直さなきゃなのですよ。
 カッコつけるんじゃなかった、となりました。

 崩した話し方などはもちろんのこと、細かい語尾まで修正対象になり、原稿は赤で指摘だらけです。
 そのほかには、キャラぶれしているとか、こことここでつじつまが合っていないとか、同じ言葉の連続になっているとか。
 同じ言葉の連続に関しては、自分では気づかずにクセのように使っていた言葉もあったので。
 全部ひっくるめて指摘してもらえたことは、成長に繋がったと思っています。
 しかし、初稿が拙いので仕方ないのですが、修正するのにとても労力が要りました。

 苦労したのはそれだけではなく、「途中にこういうエピソードがあったほうがいいので、このあたりに入れてください」みたいな要望ですかね。
 もちろん前後は繋がるように調整しないといけないので、途中に挟むのは慣れない作業だったので難しかったです。

 そしてタイトル!
 『偽装結婚いたします!~旦那様はイジワル御曹司~』と生まれ変わりました。
 ゲイ疑惑があったから「意外なあなたと~」にしたのに、消えましたね(^^;)

 最初の提案は「偽装結婚しちゃいました」だったかな? とにかく語尾が過去形だったんですよ。
 この作品が初書籍化のド素人だというのに、私は生意気にもそこに意見してしまったのです💦💦

 だって、結婚はまだしていないんですもん。
 ヒロインはいろいろ悩んで考えて、ヒーローとふたりで生きていこうと覚悟を決めるストーリー展開ですし、ゲイ疑惑が解けたあとに婚約という流れになるので、最初から過去形はおかしいと思います。と(^^;)
 それを聞き入れてくださり、「いたします」に変更してくださいました。
 担当様、あのときは生意気言ってすみませんでした💦

 全体を通しては、作品をブラッシュアップするとはどういうことかを初めて学ばせてもらいました。

 しかしやはり、「御曹司ってなに?」的な感想をいただいたりします(^^;)
 名家の令息は御曹司に入らない……入るのかな?(笑) 微妙ですよね。


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