妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
「頃合いを見て相談しようと思っていたのだが、エルムルナ殿が先に言ってしまったか……まあ、無理もないことか。彼女は、随分と長い間聖女をされている……」
「そうですよね……」
 
 エルムルナ様は、二度も聖女をすることになった。そんな彼女にとって、後継者というのはとてもありがたい存在なのかもしれない。
 私としても、できれば彼女を休ませてあげたいと思っている。聖女の仕事は、激務だ。体力的にも、エルムルナ様は限界も近いだろう。

「それで、フェルーナ殿はその話を受けるつもりなのか?」
「……はい。そのつもりです」
「そうか。それはよかった。俺も、安心できる」

 私の言葉に、アグナヴァン様は笑顔を見せてくれた。
 彼は、次期国王とされている。そんな彼にとっても、聖女の問題というものは非常に頭を悩ませていたものなのだろう。その安堵の表情からは、それが伝わってくる。

「でも、聖女に就任するにしても、私の無実が証明されなければ、話にならないかもしれませんね……」
「ああ、それはその通りだ。もっとも、それは近い内に証明されるだろう。ドルマニア王国は、今大変なようだからな」
「そうですね……」

 私は、アグナヴァン様の言葉に頷いた。
 ドルマニア王国は、現在大変なことになっている。少し悲しいことではあるが、それによって私の無実は証明されるのだ。
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