妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
「これで、終わり……」

 結果的に、闇の魔力は全て滅ぼすことができた。
 だが、相当な量に大樹は汚染されていたらしく、それなりに骨が折れる作業だった。
 多大な魔力を消費したため、私の体は疲労に襲われている。

「フェルーナ殿、大丈夫か?」
「あっ……」

 倒れかかった私の体を、アグナヴァン様がゆっくりと受け止めてくれた。
 少し恥ずかしかったが、私は彼に体を預ける。正直、結構辛かったからだ。

「どうやら、かなりの魔力を消費したようですね……」
「え、ええ……先生の方は、大丈夫ですか?」
「私は、結界を張っているだけでしたからね。まあ、もちろん、多少は疲れていますが」

 そんな私の元に、先生がやって来た。
 彼の顔にも疲労は見える。長時間結界を張っていたのだから、それは当然のことだ。

「さて、アグナヴァン様、申し訳ありませんが、フェルーナ殿を客室にでも連れて行っていただけますか? 私は、念のためにこの大樹がどうなっているかを分析しますから」
「分析?」
「大樹の魔力が、正しく国に伝わっているかどうかを確かめるのです。もしかしたら、根の一部などに異常があるかもしれません。フェルーナ殿の活躍で、闇の魔力は払えましたが、起こってしまった結果などは変わりません。完全に破壊された部分があるなら、それは確かめておくべき事柄です」
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