妹の方が聖女に相応しいと国を追い出されましたが、隣国の王太子に見初められました。今更戻って来て欲しいなどと言われても困ります。
 ホーネリアの言葉で、私はとあることを思い出した。そういえば、彼女は私を聖女の座から下ろす時も同じようなことを言ってきたと。
 これは、彼女の常套手段ということなのかもしれない。謝って油断させて、私をまた嵌めようという魂胆なのではないだろうか。

「今更、そんな謝罪を信じると思っているの?」
「……信じてもらえないことはわかっています。でも、本当に自分でも訳がわからないのです。どうして、お姉様を陥れたのか……」
「……」

 私は、ホーネリアの目を真っ直ぐに見ていた。
 彼女の瞳は、澄んでいる。そこだけ見ていると、嘘を言っているようには思えない。
 だが、流石に彼女の言葉を信用することなんてできない。それで一度痛い目に合っている以上、この謝罪を受け入れることができる訳がないのである。

「残念ながら、あなたの謝罪に効果なんてないわ。そうやって私を油断させて、追放まで追いやったこと、忘れたなんて言わせないわよ」
「……そうですよね」

 私の言葉に、ホーネリアは落ち込んでいた。
 その様子を見ていると、なんだか少し心が痛くなってくる。
 しかし、これは彼女の演技なのだ。そう切り替えて、私は堂々と振る舞うのだった。
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