弁護士は相談料として愛を請求する

 志穗はじっと私を見ている。

「すず、確かに色気が出て綺麗になったよ。誰かさんのお陰だね」

「実は言ってなかったけど、保育園の同じクラスの担当している年下の男性保育士さんから少しボディタッチが多くなっているの。それで、佐竹君に相談するように園長から言われてね。今日会ったの」

「それなのに、今度は相談相手の佐竹君から告白されたって訳?佐竹君が虫除けにするかって最初言ってたの聞こえたけど、すずは時間をかけた人としか付き合えないでしょ。男性恐怖症ではないけど、短い時間で相手とボディタッチなんて絶対無理だよ」

 そうだよね。さすが、志穗。私のことよくわかってる。ああ、志穗なしで、のんもいなくて、私大丈夫なの?

「すず?ちょ、ちょっとなんで泣いてるのよ!」

「……だ、だって。わたしのこと……わかってくれているのにいなくなる。志穗もいないし、のんは……あれだし、私これからどうやって生きていけば……うう」

 テーブルに突っ伏した私を志穗は困った顔をして、背中をさすった。
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