弁護士は相談料として愛を請求する
「落ち着いたら出ようか?うちおいでよ。段ボールばっかりだけどね。今日泊まって行きなよ。そのつもりだったんだ」
「ありがとう」
志穗と一緒に外へ出る。夜空を見上げると星が少し見えた。深呼吸。ああ、久しぶりに星を見に行きたいな。そうすると、なんというか落ち着くんだよね。全部忘れられるんだ。
のんは星を見ている私についてくると黙っていてくれる。私が星を見ながら何か考えているのを知っているんだよね。絶対邪魔しないでいてくれる。
本当はひとりで来たいんだろ?だから話しかけなかったって言ってくれたの。嬉しかったな。
のんは今頃どこで何をしているのかな?お見合い……もう、したのかな。誰か綺麗な女の人とまた……ああいうことをしているのかな。涙が自然とあふれた。
「もう。すず大丈夫?告白されたのに喜ぶどころか泣いてるなんて、モテない女子が見たら刺されるぞ」
「だ、だって……。本当にモテたい人にはもてないもん」