弁護士は相談料として愛を請求する
鍵をじっと見つめ、彼女になったことを噛みしめた。
「どーした?」
「合鍵とか……彼女みたい。嬉しい」
「悪いが彼女じゃなくても、いずれ渡すつもりだった。今後何か相談したいときは持っていてもらった方が楽だ。俺は忙しいと時間が読めない。これならいつでもお前が来て待っていられるだろ?」
「そうだけど……泊まれないのに、来られないよ」
「うるさいな、それはまたあとで……とにかく行くわ」
「はい、行ってらっしゃい」
そう言うと、私の頭を撫でていなくなった。私は言われたとおり、シャワーを借りて着替えた。洗濯機も勝手に回してしまった。のんのたまっていたものも一緒に片付けた。
適当に冷蔵庫の中にある残り野菜とソーセージでスープを作った。なんか、昨日のお酒のせいでこういうものが身体によさそうだ。鍋を止めて、ちょっと休もうとソファへ座ったら夕べ誰かさんのせいで寝不足だからすぐに目が落ちてきて記憶が途切れた。