弁護士は相談料として愛を請求する

 トマトソースのかかったお肉だ。私はハンカチを取り出すと、スーツを着ている男の子の首元にはさんだ。

「はい。こうしておけば汚さないで済むからね」

「おねえちゃん、かんなせんせいみたい……」

「かんなせんせい?」

「うん。ほいくえんのぼくのせんせいだよ。ごはんのときにこういうのをかけてくれるんだ」

「そう。お姉さんもね、かんな先生と一緒だな。実は保育園の先生をしているの」

 彼は私の方を見て嬉しそうに笑った。

「そうなの?おねえちゃんはなにせんせい?」

「私は鈴音っていうんだけど、みんなはすずせんせいって呼んでくれる。君のお名前教えてくれる?」

「ぼくは、たからだしゅうやっていうの。かんなせんせいはしゅうくんっていうよ」
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