弁護士は相談料として愛を請求する

 見ると、大学時代に付き合っていた祐子だった。

 彼女も確か法律を使った仕事をしている。別れたのが大学三年生の終わり頃。久しぶりだ。

 スーツが似合う美人の出来る女って感じだ。いや、前からそうだった。口も達者だし、頭もいい、美人。

 三拍子揃った女。確かに俺にしては大魚をつり上げた。逃げられたけどな。

「久しぶりだな。元気そうだ」

 にっこりと笑った。相変わらず綺麗だな。

「望は大変そうね。少し噂になってるわよ。堂本のことはよく耳にする。遅くなったけどお姉さんよかったわね。でも弟の望は大変ね。あの幼馴染みはいつか望の足を引っ張る存在になるって私予言してたでしょ。その通りになったわ」

「……祐子、お前今何やってんだ?」

 俺はすずの話を無視して聞いた。

「私?法律事務所で働いてるわよ。弁護士にはなってないけどね」
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