弁護士は相談料として愛を請求する
ちろりと私を見て睨んだ。私のために来てくれたんだね……。
どうして知ったのかはわからないけど、のんの話は嘘だとわかる。甥っ子の忍君はまだ一歳にもなっていない。おしゃべりも出来ないのに頼むわけがない。
「……」
吹田さんの顔がこわばった。私はすぐに言った。
「古川先生、せっかくだし一緒に回りましょう。いいですか?吹田さん」
「わかりました。僕はふたりで回りたかったんですけど……」
「お邪魔ですか?」
のんが睨むように吹田さんを見た。ビクッとした吹田さんは黙って頭を振った。
「さあ、行きましょう」
私はごまかすようにそう言った。会場内ではのんが間に入ってきて、私を守ってくれた。吹田さんはのんの意図を感じたらしく、のんの前では何もしなかった。