初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
夢の中の優莉奈は隣に立つ小さな男の子に混乱する。
男の子に握られている自分の手を見れば、自分も同じ位小さくなっていることに気がついた。

そうだ、これは私の記憶だ。
こんなことがずっと昔にあった気がする。

前方へ視線を向けると3段しかない石段の上には石の鳥居がどっしりと佇んでいる。
隣の男の子へ視線を戻せば、それが幼い頃の俊介であることがわかった。

可愛らしい笑顔は今も昔もそのままだ。
ふたりは鳥居の前に立ち、1度お辞儀をして境内へと足を踏み入れた。

そこは縁結びの神様として有名な場所だった。
『縁結びの神様。僕を優莉奈ちゃんのお婿さんにしてください』

『縁結びの神様。私を俊介くんのお嫁さんにしてください』
ふたりしてお辞儀をして、小さな手で柏手を打つ。
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