低身長先輩の攻略法。

2 バスケ部の1日 朝

読者のみんなにはバスケ部の1日がどんだけ楽しいか、先輩に会わないか知ってもらってから物語を読み進めていってほしい。
から、今回はバスケ部の1日をご紹介します!


今日は朝練がある日。
朝起きたら急いで体操服に着替えて、顔洗って、ご飯を食べて、学校の支度を3分で済ませて、制服を着て家を出る。
私の通っている仁科中は体操服の上から制服を着用するため、ごわごわして気持ち悪い。
「アスカ!早く行くぞ!」
「待って〜!」
ミライと2人で家を出て、待ち合わせ場所に向かう。
待ち合わせ場所は、近くの公園。
大きな滑り台があるから、ジャンボ滑り台公園、略してジャンボ公園。
「おはよーアスカ、ミライ」
「ユイおはよ」
「おはよ〜」
1番最初にいたのはユイ。
ユイは結構時間にルーズな方だけど、今日は奇跡。
その次にハナとイオリ、ハヤテ、サク、リュウがやって来て、8人で中学校に向かった。
リュウとサク、イオリは保育園からの幼なじみ。
小さい頃はリュウちゃん、サクくん、イオリちゃんと呼んでいたけど、さすがに小学4年生くらいから呼び捨てになった。
「ねぇイオリ〜、理科の宿題やってきた?」
「やってる訳ないじゃん!」
「いややれよ」
「待って俺もやってない!アスカ見せて〜」
わちゃわちゃしながら学校に着く。
「おはようございます」
先輩に挨拶して、男子と女子に別れる。
悲しいけど、入口が違うから仕方ない。
顧問が体育館の鍵を開けてくれると、先輩から先に体育館に入って、制服を脱いで、荷物を置いて、バッシュをスリッパみたいに履いて体育館入口前で「お願いします!」と言ってから中に入る。
めんどくさい!って思うかもしれないけど、慣れるとそうでもないよ。
1連の動作みたいなものだし。
1年生は急いで荷物を置いて水筒を引っ掴んで中に入って、バッシュの紐を結ぶ。
バッシュの紐を結び終わったら、ゴールを下げたり更衣室からタイマーを出したりモップをかけたりしなきゃいけない。
私の今日の当番はリングとゴール。
鎖を掴んで下に下げるを繰り返すとゴールが下がってくるんだ。
7時20分、朝練開始!
アップをして、顧問からメニューが言い渡されると、みんなで取り組み始める。
メニューはたくさんあって。
ドリブル、パス、シュート、1on1、3on3、オールコートの1対1…。
朝練終了が8時。
そこからゴールを上に上げ直して、着替えて、教室に行く。
朝練で先輩と会えるのは、ゴール下をしまうとき。
鎖の位置は男子の更衣室が近くて、着替え終わった先輩を見れる。
今日もバレないようにじぃっと先輩を見つめる。
「アスカ〜?仕事終わった〜?」
「あ、うん!」
ホノの言葉にこくりと頷き、鎖を壁にかける。
8時20分に教室に着いてなきゃいけないから、急ぎめに更衣室へと向かった。

8時15分。
予鈴が鳴る。
のもお構い無しに仁科中指定カバンをロッカーにぶち込み、バッシュを指定ロッカーにしまいに廊下を突っ走る。
「コラーバスケ部ー!廊下を走るなー!」
「すいませーん!」
男バスと女バスのバッシュの置き場は一緒だから、みんなで固まって置きに行くことが多い。
8時20分に席についていなければ遅刻扱いだから急いでいるんだけど、さっき怒鳴られた男の大野智(オオノサトシ)っていう先生が怖いんよね〜。
3年生の先輩からは歩き方が某猫型ロボットに似ている〜と言われているらしい。
私は数学の予定表欄に『持ち物 豚肉』と書かれていたからあだ名は豚肉先生。
「あっぶねぇ…!」
座った瞬間チャイムが鳴り響く。
隣の席のリュウと顔を見合わせて笑いながらガッツポーズを交わした。
そんな私らを笑いながら見ているのが、後ろの席に座るナナ。
ナナもバスケ部だけど、いつも余裕をもって行動しているからギリギリにはなっていない。
ナナの隣に座っているのが、田吉晴琉(タヨシハル)。
ハルは面白い系男子で、よくギャグを言ってみんなを笑わせている。
「なぁなぁ、ちょっと聞いてくれよ!俺のニューギャグ!」
ナナはニコニコ笑って頷く。
「ある日アヒルが『クワッ、クワッ』って鳴いていたんだ。んで、カエルが『ゲコー、ゲコー』って鳴いてて。アヒルはあれ?って思ったんだよ。カエルは『ケロケロ』じゃないの?ってな。それで、アヒルがカエルに放課後聞いたんだ。『どうしてケロケロって鳴かないの?』そしたらカエルは『だってゲコー(下校)だからね』」
「あっはははははっ!」
「しょーもねーwww」
しょうもないと言いながらも爆笑している男子。
私はよく考えられているなぁと思った。


…やばいやばい、こんなに尺使ったのにまだ朝だよ!
1回切りまーす…。
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