君と初恋をもう一度
EP1.最悪な再会
『約束だよ』



あの日交わした約束を忘れたことなんて一度もなかった。







「ずっと前から雪代(ゆきしろ)さんのこといいなって思ってて。もしよかったら、付き合ってくれない?」



誰もいない中庭で先輩から告白。こんなシチュエーションにときめかない女子なんている?



「…ごめんなさい。私、好きな人がいるので」



いました。ここに。





「ほんっともったいない!山田(やまだ)先輩といえば、高二の中で断トツかっこいいって有名な先輩じゃん!爽やかな笑顔が特徴のサッカー部エース!隼人(はやと)と付き合ってなかったら、好きじゃなくても私だったら付き合うなー」



中学からの親友、白石初音(しらいしはつね)が茶髪の外はねボブを揺らして身を乗り出してきた。


初音は三つ年上の大学生の彼氏がいる大人だ。



中学一年生の頃からの付き合いだからこそ、私のこともなんでも知っている。



「そんなこと言ったって、初音だって知ってるでしょ?私にはずっと前から好きな人がいるって」


「知ってるけどさ…楓花(ふうか)も本当一途だよね」



私にはずっと大好きで忘れられない人がいる。
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