静穏総長も、時には激しく愛したい

「で、ここからが本題だ。ひかりにとっての人生の選択。

答えは二つに一つ。好きな方を選べ」

「――人生の、選択」



それって、どっちかがハズレなのかな。
それとも、どっちもハズレだったりして。


「――……っ」


暗い過去が蘇る。

文字通り、いつも僕は暗い所にいて……。
ひかりの無い世界に、たった一人取り残され、孤独に支配されていた。

間違った選択をしたら、どうしよう。
また、あんな生活に逆戻りになったら、


僕は――――


ポン


「――っ!!」



考えに耽っている時に、肩を叩かれる。
ビックリして、ハッとして……現実に戻った。



「ツライことばかりだったんだな」

「――……」



何も言わない僕を、春風は怒らなかった。
ばかりか――

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