静穏総長も、時には激しく愛したい
私の旦那様





一方。




――うん。”また”ね



白い服の人が言った言葉。

その意味を、私は帰宅後に知った。



「ねぇ、澄。これって……」



宣言どおり。帰宅後、お見合い写真を澄と見ていた。

意を決して一枚目を開く。そして……固まった。



「この人、どう見ても……さっきの男の人だよね?」



白いスーツをキチッと着こなし、椅子に座って優しい笑みを浮かべる男の人――

なんとそれは、さっき出会った白い服の人だった。



「”また”って、そういう事だったんだ。
あの人は、私が若桜グループの娘って分かってたんだね……」



そして今回、自分がお見合いを申し込んだ相手だという事も知っていた。



「そっか、あの人が……」

「お嬢様……」



黙った私を見て、澄が私の手をソッと握る。
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