冷血警視正は孤独な令嬢を溺愛で娶り満たす
「考えていることはよくわかるが、それを実行したらまた君がターゲットになるだけだぞ」
「うっ、たしかに」

 蛍はしょんぼりと肩を落とす。

「そういうわけで、この生活はまだまだ続くことになる。赤霧会への警戒を緩める気はないが、君も多少の息抜きが必要だろう」

 どうやら蛍のストレスを心配してくれているらしい。
 まっすぐで真剣な眼差しが蛍を射貫く。

「俺がそばにいるかぎりは必ず守ってやる。だから心配しなくていい」
「ありがとうございます。では、ご一緒させてください」
「とはいえ、安全を考えるとそう自由には動き回れない。プランは俺に任せてもらっていいか?」
「……はい、お願いします」

 答える蛍の語尾は消え入るよう。それを怪訝に思ったのか左京が顔をのぞいてきた。

「どうかしたか?」
「別に。なんでもありません」

(プランってデートみたい……なんて一瞬でも考えてしまったこと、言えるわけがない)

 これまで感じたことのなかった胸の高鳴りをどう扱っていいのかわからず、蛍は困惑するばかりだ。

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