スカウトしたはずのイケメン御曹司からプロポーズされました
『もちろん、深雪がいいなら』
 時間と場所を告げると、貴博さんはすぐに電話を切った。相変わらず素っ気ない。
「……これ、プロポーズした相手にする態度かな?」
「それを確かめにいくんでしょう? 単純に忙しいタイミングで電話を取っただけかもしれませんし」
 奈央子は大真面目に、こちらが気後れするくらい真剣に言い放った。
「深雪さん。目指せ玉の輿、目指せ専業脚本家ですよ!」
 急展開と後輩のエールへの対応に困りながらも、最後に頬張ったピンクのマカロンは、とても甘くて美味しかった。
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