孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
 せっかく料理を食べようと思ったのに。ショコラに声をかけられたかと思うと、彼女は私を会場のすみに引っ張っていく。

「なに?」
「何って、あなたはなんでそんな普段着なのよ」
 呆れたように言われるけれど、朝から料理で大忙しだったのだから仕方ない。会場内を見ると、女性陣はきちんとドレスアップしていた。さっきまで準備を手伝っていた人も。みんなちゃっかりしている。

「今年も私からのプレゼントよ」
 ショコラが私に指を向けると、去年と同じく光の粒が私を包みこんだ。そして、
「わ、今年も青いドレスだ!」
 昨年より鮮やかなロイヤルブルーのドレスだった。光沢があって上品なAラインのドレスだ。

「ありがとう、ショコラ大好き」

 食事をとるために人間の姿のままでいるショコラをぎゅっと抱きしめた。ショコラをこうしてまた抱きしめることが出来て嬉しい。

「私からも今年も編み物のプレゼントがあるから屋敷に帰ったらリビングルームのツリーの下を見てくれる? ショコラあてのプレゼントがあるの」
「やった、楽しみにしてるわね。よーし、今日は食べるわよ!」

 ショコラは気合いをいれると料理に向かっていった。

「アイノ、メリークリスマス! ドレスとっても素敵だわ!」

 そう言って私にグラスを傾けて微笑むのはリイラ。ピンクのカクテルドレスがよく似合っている。

「ありがとう。リイラも素敵。どう? お妃生活は?」
「覚えることが多くて正直大変。でもね、マティアス様の信じている未来を私も信じているから。だから大変なのも楽しくて嬉しいの」

 そう言ってはにかむリイラは魅力的で可愛い。
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