孤独な悪役魔王の花嫁に立候補します〜魔の森で二人と一匹が幸せを掴み取るまで〜
「わ、そうだったんですか。じゃあ今年は楽しみましょうね」
「もう子供ではない」
「楽しみですね!」
アルト様に、はいどうぞとリボンを渡すと、私の手が届きにくい高い場所にリボンを結んでくれた。
「ありがとうございます」
「クッキーはないのか」
「クッキー?」
当たり前のようにアルト様が聞いてくるので、私は手を止めて考える。
「ああ、もしかして。オーナメントクッキーですか? 今回はリボンしか用意していませんでした」
「必需品だと勘違いしてただけだ」
「いいですね、クッキー。一緒に作りましょう」
「別に飾りたくて聞いたわけではない」
「せっかくですからね!」
幼いアルト様が思い浮かべたクリスマスツリーにしてあげたい。チビアルト様も可愛かったんだろうなあ。
「変なことを考えるな」
「考えていませんよ。でも残念ながら今日はクッキーを作る材料がないので、次の買い出しの後にしましょうか。――よし、完成」
家にあった端切れリボンを飾っただけでも大変かわいいクリスマスツリーが出来上がった。暖炉の隣に並ぶとますます可愛い。
「クリスマスプレゼント欲しいものはありますか?」
「ない」
「じゃあ勝手に用意しますね」
「アイノは欲しいものないの? アルト、たまにはアイノにプレゼントでもあげなさいよ」
「もう子供ではない」
「楽しみですね!」
アルト様に、はいどうぞとリボンを渡すと、私の手が届きにくい高い場所にリボンを結んでくれた。
「ありがとうございます」
「クッキーはないのか」
「クッキー?」
当たり前のようにアルト様が聞いてくるので、私は手を止めて考える。
「ああ、もしかして。オーナメントクッキーですか? 今回はリボンしか用意していませんでした」
「必需品だと勘違いしてただけだ」
「いいですね、クッキー。一緒に作りましょう」
「別に飾りたくて聞いたわけではない」
「せっかくですからね!」
幼いアルト様が思い浮かべたクリスマスツリーにしてあげたい。チビアルト様も可愛かったんだろうなあ。
「変なことを考えるな」
「考えていませんよ。でも残念ながら今日はクッキーを作る材料がないので、次の買い出しの後にしましょうか。――よし、完成」
家にあった端切れリボンを飾っただけでも大変かわいいクリスマスツリーが出来上がった。暖炉の隣に並ぶとますます可愛い。
「クリスマスプレゼント欲しいものはありますか?」
「ない」
「じゃあ勝手に用意しますね」
「アイノは欲しいものないの? アルト、たまにはアイノにプレゼントでもあげなさいよ」