まがいもの令嬢なのに王太子妃になるなんて聞いていません!
『考えすぎたら頭痛が起きるから気をつけなさいとお医者様が言っていたでしょう? 思い出してはダメ。このカフスボタンは持っていて大丈夫なものだから。そうだ、ネックレスにしたらどう? チェーンを持っているから通してあげる』
あの時の母を思い出していると、少し様子がおかしかったと気づいた。
(いつものお母さんとなにかが違う)
『無理に思い出さなくていい』ならわかるが、思い出すのを禁止したのはなぜだろうか。
それにカフスボタンを持っていて大丈夫だと、どうして言ったのだろう。もしかしたら拾い物かもしれないのに。
正直者の母ならば落とし物として村役場に届けそうなものなのに、あの時は旅人がお礼にくれたと根拠のない推測を信じているようだった。
(お母さんは本当はこのカフスボタンの持ち主を知っていたんじゃないかな。でも私に思い出してほしくなかったから、言わなかったとか……)
月光を浴びる青い石を見ていると、なにか思い出せそうな気がした。
空白の三日間を覗こうとしたら、湧き上がってきたのは――。
(怖い!)
記憶を取り戻すのが怖いのか、それとも当時、恐怖体験があったのか。
よくわからないがとにかく恐ろしくなって呼吸を乱した。
慌ててネグリジェの中にカフスボタンをしまい、落ち着こうと深呼吸する。
あの時の母を思い出していると、少し様子がおかしかったと気づいた。
(いつものお母さんとなにかが違う)
『無理に思い出さなくていい』ならわかるが、思い出すのを禁止したのはなぜだろうか。
それにカフスボタンを持っていて大丈夫だと、どうして言ったのだろう。もしかしたら拾い物かもしれないのに。
正直者の母ならば落とし物として村役場に届けそうなものなのに、あの時は旅人がお礼にくれたと根拠のない推測を信じているようだった。
(お母さんは本当はこのカフスボタンの持ち主を知っていたんじゃないかな。でも私に思い出してほしくなかったから、言わなかったとか……)
月光を浴びる青い石を見ていると、なにか思い出せそうな気がした。
空白の三日間を覗こうとしたら、湧き上がってきたのは――。
(怖い!)
記憶を取り戻すのが怖いのか、それとも当時、恐怖体験があったのか。
よくわからないがとにかく恐ろしくなって呼吸を乱した。
慌ててネグリジェの中にカフスボタンをしまい、落ち着こうと深呼吸する。