狼少女と、溺愛男子



「うん。分かってる。
聖里が〝友達欲しい〟って気持ちも。
でも、怖いって気持ちも、分かってるから」



そう、優しい言葉をくれる琉架くん。



「...............、琉架くんのこと、
嫌いになりたいのに、なれないのも、ごめん」

「ふっ。それって、
俺に〝可能性ある〟ってことじゃん」



私の言葉に対して、
ニヤッと笑った琉架くんがいて。



ハッとした............言葉選びを間違えた、と。



「〜っ、ばか!ないから!絶対!」

「はいはい。聖里ってば、
そんな顔で言われても説得力ないからね」



そう言って.....................



──────ちゅっと。



私のおでこに温もりを落とした琉架くん。



本当に、〝怖い〟なのは、
──────琉架くんかも。



そう少し思ったのは、今は言わないでおく。


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