狼少女と、溺愛男子
「.....................っ、ぅ、ばかぁっ!」
気づけば、涙が溢れて。
琉架くんの胸元をベシベシと叩いている私。
「...............ごめん、聖里。無理に誘って」
泣きながら、胸元を叩いているのに。
琉架くんは、
怒らずにギュッと私を抱きしめた。
琉架くんは昔から、いつもそうだ。
私が、泣いても、わめいても。
怒らずに、ギュッと抱きしめてくれる。
中学のとき、
琉架くんが原因で何度もイジメられたのに。
結局は、琉架くんの、
優しさとか、暖かさに助けられてばかり。
「.........っ、ぅ、やっぱり、イジメられるのが、
怖い、だけ、............っ、ぅ、それで、
『友達いらない』とか言っちゃうんだもん、」
琉架くんの腕の中で、
最初は誤魔化した言葉を言うと。