寝ても覚めても、離してやんない


 自分のストレスを回避するために、妹にストレス溜めさせてちゃ本末転倒だなあ。

 失格お姉ちゃんなのに……この子はこんな喜んでくれるんだ。



「よかった……っ。私、お姉ちゃんに嫌われてるんだって、ずっと……っ」

「ごめんごめん。そうじゃなくて、暖のことを大好きすぎたってだけ」



 慰め方はわからなかったけど、とりあえず背中をポンポン叩いた。

 いつも暖がやってくれるみたいに。

 力、強すぎないかな。


 ほとんど初めて触れた妹の背中。

 思っていたよりずっとずっと小さくて、華奢だった。


 私は別に、妹が嫌いってわけではない。

 今までいなかった他人が家にいるのと、その他人を家族として迎え入れるのが気持ち悪かっただけ。

 克服するには、慣れるしかないってわけ。


 いつも暖と寝ていた時間が、今日は妹との会話に変わった。

 暖と会いたくてむずむずしてたけど、なんとか抑えながら。


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