寝ても覚めても、離してやんない


 信じられないほどぐっすり眠れた。

 ここまでぱっちり目覚めたのは初めてだった。


 体が軽い。頭もすっきりしている。

 暖からのメッセージも、一字一句覚えている。



「おはよ、暖!」

「……おう」

「今日は学校休んでずっとベッドで過ごす? 元気有り余ってるよ」

「ばか言え」



 対面の暖はやっぱりツンが強い。

 でも、大好きだよ。


 腕にぎゅーっと抱き付いたら、お返しみたいに。

 すり……って、わたしの頭に頬を擦り付けて来た。



「帰ってからめちゃくちゃにしてるから……辛抱しろ」

「うんっ♡♡♡」



 ていうかまだ『好き』とか『愛してる』とか聞いてないから?

 そっちが本番じゃなきゃ怒るんですけど?


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