雑学が好きな君はいつも教えてくる

出会い

「ねえ知ってる?君は私の運命の人だって。」

「…は?」

第一声に出た声だった。
考えが追いつかない。
なに言ってるのか分からなかった。
この人は学校で一日に見かけるか見かけないほどだ。
仲良くない。
そして話したこともない。
言ってしまえば共通の友達なんて一人もいない。
クラスも2組と8組で離れてる。
こんな奴、可笑しいとしか思えなかった。

「ねえ今こいつ可笑しいって思ったでしょ?笑笑」

「えっ」
なんでばれたんだ。
顔に出てたか?と考える。
だけど僕は顔にすぐ出るタイプではない。

「…なんで分かるの」

「んー感?笑笑」

くしゃっと笑う透明感のある笑顔だ。
無意識に頭の中に可愛いという単語がでてきた。急いでかき消す。

「君の名前は?」

「 結!!縁結びの結ぶっていう字でゆい!」

くしゃっと笑うその笑顔で言う。

よく似合う名前だな、と僕は思った。
けれど何食わぬ顔で答える。

「結、いいね。」

「あなたは?」

「_っ名前も知らないのかよ笑 俺は心兎。心に兎って書いてまなとだよ。」

「心兎!!いい名前だね!!似合ってる!!」
またその笑顔。
やっぱり可愛いと思ってしまう。
認めたくないからまた、かき消す。
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