甘く痺れる恋情~華麗なる御曹司は愛しい運命をもう二度と手放さない~
もう、隠せない。
もう、逃げられない。
彼からも、私の中で色褪せることがなかった甘く痺れるような恋情からも。


「っ……あなたの、邪魔をしたくなかったの」


ぽつり、苦しみに満ちた本音が零れる。
旺志さんと再会して初めて、私は彼の前で本心を口にした。


「あなたは神室グループを背負う人で、事業に失敗した斑鳩の娘では迷惑しかかけないってわかってた。こうすることが、私が旺志さんにできる最大限の愛情表現だと思ったの……」


涙交じりに紡ぐ過去は、胸に痛かった。
私はいったいどれだけ彼を傷つけたのだろう。


きっと、私が想像するよりもずっと苦しませたはずだと、目の前にいる旺志さんの表情を見て確信した。


「そんな愛情ならいらない」


私の手を握っている彼の手に、ギュッと力が込められる。


「俺がいなくても、神室の未来は続く。だが……」


私を見る瞳はいつもと変わらず力強くて、けれどどこか弱々しくもあって――。

「真白が傍にいてくれないと、俺の未来はなくなったも同然だ」

乞うように私を求めた声には、旺志さんの覚悟が込められている気がした。
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