極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない
一番近い第二ターミナルの展望フロアに着いたところで、ここに来てなにをするつもりだったのか……と絶句した。


展望フロアからは、たくさんの航空機が見える。
ただ、樹くんが乗っている八〇三便がどこに到着するのかもわからない以上、ここから見えるのかすらも確認のしようがなかった。


きっと、馬場園さんにはもう最新の情報が入っているんだろう。


けれど、部外者でしかない私には、なにも知る術がない。
なにがあったのかも、彼の乗っている便が今どうなっているのかも……。


こんなに不安なことが起こるなんて考えたこともなかった。


飛行機が飛ぶのは当たり前で、事故なんてそうそう起こらない。
エンジントラブルや危険な事故は、映画やドラマの中の出来事。


漠然と、そんな風に思っていた。


(どうしよう……。樹くんになにかあったら……)


バードストライクが、どれほど危険を伴い、どういう風になるのかも知らない。
慌ててネットで調べたところで、不安を煽られるばかりだった。

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