極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない
八〇三便は、当初の予定時刻よりも三十分遅れて到着した。
私がそれを知ったのは、空港内のアナウンスと案内掲示板だった。
ただ、到着ゲートが変わったことに気づけず、私がいた場所からは樹くんの姿は確認できなかった。
どうしようかと悩んだのは、わずかな時間のこと。
彼ならきっと、私のメッセージに気づいたら来てくれるはず。そう信じて、今いる場所から動かずにいようと決めた。
どれくらいの時間が経ったのか。恐らく、一時間以上は過ぎていたと思う。
「芽衣」
不意に聞き慣れた声に呼ばれて、弾かれたように顔を上げた。
私の視界には、パイロット制服姿の樹くんの姿が飛び込んできた。
途端、安堵感に包まれる。
彼の顔を見ることができていなかったせいで、今の今まで心から安心できていなかったのだと、このとき初めて自覚した。
「樹くん……」
名前を紡いだ唇が震えていた。今になって、体まで震え始めてくる。
「どうした? なにかあったのか?」
心配そうに私を見る樹くんは、パイロット制服を着たままだから目を引いている。
けれど、今の私にはそんなことに構う余裕なんてなかった。
「好き……」
ずっと胸の内に秘めていた言葉が、まるで溢れるように零れ落ちた。
私がそれを知ったのは、空港内のアナウンスと案内掲示板だった。
ただ、到着ゲートが変わったことに気づけず、私がいた場所からは樹くんの姿は確認できなかった。
どうしようかと悩んだのは、わずかな時間のこと。
彼ならきっと、私のメッセージに気づいたら来てくれるはず。そう信じて、今いる場所から動かずにいようと決めた。
どれくらいの時間が経ったのか。恐らく、一時間以上は過ぎていたと思う。
「芽衣」
不意に聞き慣れた声に呼ばれて、弾かれたように顔を上げた。
私の視界には、パイロット制服姿の樹くんの姿が飛び込んできた。
途端、安堵感に包まれる。
彼の顔を見ることができていなかったせいで、今の今まで心から安心できていなかったのだと、このとき初めて自覚した。
「樹くん……」
名前を紡いだ唇が震えていた。今になって、体まで震え始めてくる。
「どうした? なにかあったのか?」
心配そうに私を見る樹くんは、パイロット制服を着たままだから目を引いている。
けれど、今の私にはそんなことに構う余裕なんてなかった。
「好き……」
ずっと胸の内に秘めていた言葉が、まるで溢れるように零れ落ちた。