極上パイロットは偽り妻への恋情を隠さない
確かに、樹くんが簡単に受け入れてくれるとは思っていなかったけれど……。それでも、ここまで動揺されるなんて予想していなかった。


なにより、私が告白してしまえば、当初の予定とは違ってしまう。
彼は、お互いに恋愛感情がないことを前提に結婚という提案をしてきたはず。


それなのに、片方だけが恋愛感情を持ったとなれば、この契約結婚のような婚姻関係を上手く成立させられなくなる。
樹くんだって、自分に想いを寄せている相手と暮らすなんて気まずいだろう。


なんてことが、この数秒の間に頭の中を駆け巡った。


「だって……私がこんなこと言ったら、樹くんに迷惑が……」

「だから、どうしてそうなる? 俺だって芽衣のことが好きなのに」

「へ……?」


まったく予想もしなかった言葉に、困惑を通り越して理解が追いつかなくなる。


聞き間違いか、都合のいい夢か……。そんなことを考えながらも、彼から目が離せなかった。


「本当に……?」

「ああ」

「じゃあ、両想いってこと? 私が樹くんを好きでいても困らせない……?」


まだ信じられないままに樹くんを見上げれば、彼が目を小さく見開いたあとで優しい笑みを浮かべた。

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