ヒートフルーツ【特別編集版第2部】/リアル80’S青春群像ストーリー♪
猛る狂気/その11
ケイコ



私もアキラも体調面は何とかってとこで、心配ないようだ

今はお互い、クスリの影響とかもないし

相和会の方も、剣崎さんは、もう私たちへの監視はしないと言ってくれたそうだ

なんか、ひとつずつ、雨雲が消えて行ってる感じもね…

そして…

「ケイコちゃん…。まだ先になるだろうけど、オレとのことがわかれば、家の人が大反対するだろうということは想像がつくよ。そうなった時には、ちゃんと考えるけどさ。でもオレ…」

アキラが切り出してくれた…

彼の言うとおり、お母さんはアキラが私にクスリをやらせたと思ってる

アキラと付き合ってるって言えば、絶対別れろって言う

できないって突っぱねれば、その場で家を出されるだろう

そのどっちかだ

すぐの説得は無理だろうな

少なくとも長い時間がかかるよ

こればかりは、今からそう覚悟しとかなきゃ

だって、アキラのこと、お母さんの誤解だって言ったら、警察での供述がウソになっちゃうもん

ホントはそれが、”本当”なんだけど…

これ、考えるといつも胸が苦しくなる…


...



「…あの時は、良かれと考えてのことだったんだけど…。やっぱり思慮が足りなかったと思う…」

アキラは申し訳なさそうに下を向いちゃってる…

この人は私を最優先であの決断をしてくれたんだ

アキラ、私は嬉しいんだよ

だから…

そうは思ってるけど、言葉にそのまま出せば、アキラと私が逆になっただけで昨日の延長だよね…

「アキラの言うとおり、私の親はアキラのこと勘違いしてるから二人のことは絶対、認めないよね。だから、いずれ家を出る覚悟だよ。そしたら、アキラのアパートにおいてね」

「ケイコちゃん…」

「すぐじゃないにしても、アキラと一緒に歩むことを優先するってことで承知しておいて。だって、あなたは私のこと、一番に考えてくれてる。その気持ち、私もそうだし」

「うん…。まあ、とりあえず高校卒業後ってとこで…」

アキラ…、その前になると思うよ

あなたのアパートに押しかけちゃう日って…






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