筒井くんと眠る夜 〜年下ワンコ系男子は御曹司への嫉妬を隠さない〜
小夜子と筒井くん
小夜子(さよこ)は今夜も無理?」
「ごめんね。荷物の受け取り、今夜にしちゃって。新しいクレカだから今日受け取りたいの」
「せっかくの水曜の夜なのに〜」
「一人暮らしだから残業が無い時が狙い目なの」
いわゆるノー残業デーってやつである水曜の夜、同僚との食事を断って長い髪をなびかせて小走りで帰宅の途に着く。
荷物の受け取りなんて嘘……ううん、嘘ってわけではないけど……

「ただいま」
リビングに入るとソファに座っている彼がこちらを振り向く。
「おかえり小夜ちゃん。さっき郵便来たから受け取って机の上に置いといた」
「ありがと」
「俺、役に立った?」
「立った」
背の高い大きな身体で無邪気な笑顔全開に言われると、ギャップにキュンキュンしてしまう。
私はソファの隣に座って、この大きな〝ワンコ〟をよしよしと撫でた。

「じゃあさ——」

さっきまで無邪気に輝いていたはずの瞳が妖艶に光る。
そして、お手でもしそうなくらい従順だった両手が、私の服の裾から侵入して肌を撫でる。
「ちょっ……と……んっ」
くすぐったくて、ちょっと舌足らずな声を出してしまう。

「ご褒美に小夜ちゃんちょーだい」
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