月夜に1人の私を見つけて

がっくりする大和を見て、雪奈は思わずクスクス笑いながら「ごめんね?」と謝った。


「だって、当時は元彼と付き合ってたし、他の人を気にするなんて考えられなかったし。」


「まぁ、それはあるかもしれないけど…俺が超仕事デキる男だったら雪奈さんも俺に惚れてくれるかと思って、仕事もめっちゃ頑張ってたの気付いてませんでした?」


「え?二宮くんが頑張り屋さんなのは知ってたけど、理由まではさすがに…ねぇ?」


「頑張ってたのは、雪奈さんに惚れてもらうためでもあったんですよ。雪奈さんのやりかけの仕事進めておいたり、雪奈さんにかかってくる内線も俺ができるだけ対応したりもして…。」


──確かに、二宮くんを教育してる期間って、問い合わせ対応少ないなって思ってたなぁ。


「…そっか。影でフォローしてくれてたんだね。ありがとう。」


雪奈がにっこり笑うと、大和は口元に手を当て、顔を赤く染めながら「ど、どういたしまして。」と呟いた。そして言葉を続ける。

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