それでも生きていてほしいから~統合失調症になった私の綴るアナタと十四人への手紙~
そのことを、私が精神科を退院した後に貴女に話したら、

「貴方は“俺”なんて一人称を使ってはいなかった。全部アンタの妄想だよ。」

そう言ってから言葉を溜めた貴女に私が問うと、

「やっぱり病気なんだと思った。」

そう言われました。

もしかしたら、朝の会話は本当にただの夢だったのかも知れない。

でもそれから一人称を変えるようにしたことと、私が学校で“俺”という一人称を使っていて嫌がらせをされたことだけは妄想じゃない。

全部の記憶を否定された私は

“そんな言い方をするから病気になったんだよ”

と、心の中で思った。

貴女が心無い言葉を使うのは、貴女自身が疲れているとき。

いつもは明るいし、朗らかに笑う、周りから見ても感じの良い人。

だからこそ、辛く当たられるときとの差が激しいから、心のダメージがキツい。

お母さんと二人でランチを食べに言ったり、お話をしたり、一緒にカラオケに行ったり……。

機嫌の良い貴女はいつもとても楽しそうで、そんなときでも口が悪くなることはあるけど、気分は悪くならない。

病気になって、入院して、退院して、前程は活動的な
生活が出来なくなってしまった貴女は自分のことを“役立たずだ”と言う。

その度に私は

“そんなことないよ”

と慰める。

正直面倒臭い。

私に慰めの言葉をかけてもらいたいのですか。

一度でも私が貴女の卑下する言葉に同意したら、貴女はどうするのですか。
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