別れさせ屋の仲間になった私の結末

Card 25 ♠︎ トビラノムコウ

──2日後の放課後、西館の3階へ向かうと、彼はすでにキングの姿になって、図書室の前の廊下で私を待っていた。

階段を登りきった私に気づくとすぐに歩み寄り、そのまま4階へと足を進めていく。

「なんか疲れてるね?」

ぐったりした表情とあくび。

顔色も悪い気がしてたずねると、

「……文化祭で別れさせるはずだった案件、ターゲットが他校のヤツだったんだけど、なかなかしつこくてさ。昨日の夜まで長引いて、あんまり寝てねーの」

キングは少し間を置いてから、寝不足の理由を口にした。

初めてだった。他の人の依頼について話すなんてこと、これまで一度もなかったから、話し始めた瞬間、耳を疑ってしまった。

けれど、これで確信する。

キングはやっぱりわかっているんだ。私が出す答えを。
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