別れさせ屋の仲間になった私の結末
真面目な態度をとると、ミカモくんの表情もわずかに変わる。だけど……。

「なんで自分はストーカーじゃないと思ってんの?」

微笑みながら、逆に聞き返されてしまった。

「依頼を終わらせたとき、キングからこっぴどくフラれてたよね? 手伝いたいって言いにきたときも、しつこいって嫌がられてた」

「っ、それは……」

キングが私を遠ざけたのは、正体を知る私を巻き込まないよう、遠ざけようとしてくれたからで……。

弁解しようとしたが、ミカモくんは私の声をさえぎって続きを口にする。

「オレ、本棚があるほうでアンタらを見てること多かったから、全部知ってるよ。引くくらいチョロ過ぎる女だってこと」

「……え」

見てた、って……。

ふたりっきりだと思っていた空間に、もうひとりいたことがわかって戸惑った。

だけど、最後に付け足された言葉は──

“チョロ過ぎて引くわ”

あのときのキングを真似したのだろう。自分がいたことを証明するために。

「でも、最後の勝負で、キングは普通のカードも入れてくれたし……」

「あー、トランプのやつ? あれも仕方なくじゃん。しつこいから」

「っ……」

そういえば、手伝いたいと言いにいったときも、キングから言われたっけ。

“あんましつこいと、ひどい目にあわせるよ?”

ミカモくんと話す間、これまでのキングを振り返る。
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